坪倉初奈さんインタビュー

※2022年6月取材

スティールダーツとソフトダーツには色々な違いがありますが、違いのひとつにダーツの審判「コーラー」があります。コーラーは スティールダーツにしかいない、試合のコントローラーです。
今回は、そんな「コーラー」の魅力について、日本で初めての女性PDCアジア公認コーラーを目指す「坪倉初奈(つぼくらはな)さん」にお話を伺いました。

坪倉初奈(つぼくらはな)さん1

― 坪倉さん、とてもお若いですが、日頃は何のお仕事をされているんですか?

大学生です。日頃は大学で勉強をしながら、PDCアジアの公認コーラーを目指して活動をしています。

― 大学生なんですね!ダーツの存在を知ったのはいつなんですか?

最初にダーツを知ったのは、中学生のときにアミューズメント施設で体験したのがきっかけです。ただ、そのときはダーツボードに刺さることすらままならなくて、悔しい思いをした思い出があります(笑)。

スティールダーツの魅力

― 坪倉さんが思うスティールダーツの魅力を教えてください。

スティールダーツはボードに色々な刺さり方をするという点でしょうか。
個人的な話なのですが、最初にソフトダーツを投げたときにボードに刺さらなかったのが、スティールダーツだと刺さったんです!ダーツって刺さらないともちろん楽しくないし、土俵にも立てていないような気持ちになったんですけど、スティールダーツが刺さったことでダーツに受け入れてもらえたような気持ちになりました(笑)。

坪倉初奈(つぼくらはな)さん2

コーラーの存在を知ったきっかけ

― 坪倉さんがコーラーを知ったきっかけは何ですか?

高校生のときにマイダーツを買う程にソフトダーツのことが好きになり、「ソフトダーツのプロってどんな人なんだろう?」と思ってYouTubeで調べてみたんです。そのときにフィル・テイラーのことを知り、調べていくうちにダーツ界のすごい人なんだということが分かってきて…彼のことを調べていくうちにPDCに辿り着きました。
そのPDCの試合を見ていくうちに、ソフトダーツにはいないコーラーの存在に気が付いて、「この人は何なんだろう?」と思ったことがきっかけです。

― なるほど。坪倉さんの探求心がきっかけを生んだわけですね。

コーラーとしての現在の活動

― 現在コーラーとしての活動はどのようにしていますか?

↓坪倉さんの実際のコールがこちら↓

私は、最初からPDCアジアの公認コーラーになりたいという目標があったので、最初にPDCアジアの公認コーラーの方にコンタクトを取ることから始めました。その方からの紹介で大会の実践を積んだり、自分自身ダーツバーに足を運んでつながりを作ったり、私のSNSを見て声をかけていただくこともあります。九州、関西、関東などに足を運んで経験を積んでいます。

― コーラーの勉強とは具体的にどのようなことをしているのですか?

ダーツのプレイヤーが日々練習をするのと同じように、私もいつ大会に呼ばれても行けるように、学校の勉強の合間に日々アレンジの勉強などを心がけています。

坪倉初奈(つぼくらはな)さん3

PDCアジア公認コーラーを目指す道のり

― ダーツのプレイヤーではなく、PDCアジアの公認コーラーを目指すきっかけは何だったのですか?

身近でPDCを目指すダーツプレイヤーと出会ったことですね。その方は自分と年齢が近く、そういった人達の夢の一端を担いたいという思いもありましたし、身近にPDCを目指す人がいることで、遠く感じていた世界に現実味がおびたというか…私はプレイヤーではなく、コーラーとしてPDCの舞台を目指そうと思えたことがきっかけです。
目指しているのはPDCアジアの公認コーラーですが、もちろんダーツを投げることも好きなので趣味として楽しんでいます。

― PDCアジア公認コーラーを目指すにあたりどのような勉強をしているのですか?

1つ目は大会で実践を積んでいくこと、そして2つ目は自宅でYouTubeなどの動画を見ながらチョーカー(※1)の訓練をすることです。チョーカーの訓練は日本人の選手と海外の選手のテンポが違うので、ノートも別々に作り、訓練の仕方も変えています。
海外選手の場合には、1度目に試合のチョーカーをし、2回目はコーラーをしながらチョーカーをして、3回目はコーラーだけをします。1つの試合を何度も違う角度から見て研究するようにしています。
日本人選手の場合には、日本でコーラーをさせていただく機会が多いのでアレンジノートを作っています。その方のアレンジ(※2)を知っておくことで、次どの盤面を見ておくかという先読みにも繋がるので、選手の傾向を勉強するようにしています。


※1 チョーカー:ボードの横に立ち、取った点数、及び残りの点数を計算してスコアシートに記入する人のこと
※2 アレンジ:01ゲームの最後の上がりのために残りの持ち点を調整すること

― その中でやりがいを感じることはありますか?

試合が終わった後に、選手の方に「コーラーがいたから、スローに集中することができたし、試合にいい緊張感が持てたよ!ありがとう」と言ってもらえたときは嬉しかったですね。

坪倉初奈(つぼくらはな)さん4

― PDCアジア公認コーラーを目指す上で目標にしている人は いますか?

日本で唯一のPDCアジア公認コーラーの入澤宣維さんですね。とても気さくな人柄の方なのですが、いざ表に立つと堂々とした落ち着きのある対応で、緊張を見せずに卒なくこなすところがすごいなと思いますし、尊敬しています。

― PDCアジア公認コーラーは英語での読み上げが必要になると思いますが、語学の勉強はどのようにされていますか?

英語は自分の進路にも必要になるので、英語はこれからも学んでいきたいと思っています。中国語に関しては、中国はダーツに力を入れている国のひとつなので、今後もしかしたらアジアの中でダーツの主要言語になっていく可能性もあると思います。言語の勉強が好きということもあるのですが、ダーツの将来も見据えて、中国語も勉強しています。

― PDCアジアの公認コーラーになった際の夢や目標は何ですか?

是非アジアツアーでコーラーをしてみたいです。でもやはりそれから先に本場のイギリスの舞台につながっていけたらいいなと思います。それが今の夢ですね。

坪倉初奈(つぼくらはな)さん5

― 素敵なお話がたくさん聞けました!坪倉さん、ありがとうございました!

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