テノデーシスアクション
2015年11月
ここ何回か腕についての記事が多くてすみません。
投げている人を見ていると腕に力が入っている方が多くてついつい。
なので今回も腕です。
ダーツトピックスVOL148で、手首を背屈させるとグリップが強くなる現象のことにふれました。(テノデーシスアクション)腱固定効果と言います。
手首を背屈させると、前腕にある長掌筋が引っ張られ指が曲がります。ダーツでセットアップからテイクバックする時に手首を固めすぎると、この効果によりグリップが強くなり、リリースが遅くなり、左右へのブレや、狙った所より下に落ちる可能性があります。
前腕の回内、回外、手関節の屈曲、伸展、指の屈曲、伸展など、様々な動きの組み合わせでダーツを持ち、セットアップからフォローまで投げる動作を行います。
手首を背屈(伸展)させる神経は橈骨神経。
掌屈(屈曲)させる神経は、正中神経、尺骨神経。
グリップする際は、正中神経により支配され、リリースの際は橈骨神経が働きます。
前腕は3本の神経で筋肉を制御(細かく言うと脳が制御)されますが、屈筋を使う場合伸筋が緩み伸筋を使えば屈筋は緩みます。これを拮抗筋と言います。
例えば、手首の背屈が強いと掌屈しにくくスナップが利かず、手首が固まったままのスローになります。また、テイクバックの際、上腕二頭筋を強く緊張させると前腕の回内がしにくくなり、手のひらをボードに向けにくくなるなど、うまくスイングできなくなるなど、こっち立てればあっち立たずとなる作用がところどころあります。
テイクバックする際は、上腕二頭筋に力を入れず倒すだけのイメージ、指を開きやすくする為には手首を固めないのがポイント。ダーツは軽いものなで力を入れなくても指から離れ飛んでくれます。疲れにくく、はじかれにくい鋭い飛びは下半身の動き、そして重心移動が重要となってきます。
もしかするとイップスを脱出するきっかけになるかもです。
それはまた次回に。
山田プロとグリップのお話。
山田プロは以前、グリップを変えたことで『AAフライト』から『BBフライト』まで落ちたそうです。グリップを意識し過ぎてボードに対して意識が薄れ、矢を飛ばす根本的な動作がおろそかになったそうです。山田プロ曰くグリップは、無理に変えずとも投げていくうちに少しずつ変わるそうです。